「自己破産したら、家も車も全部取られてしまうのか」
この不安が踏み出せない最大の壁になっている方は多いです。家族が住む家、仕事に使う車——それを失うくらいなら、借金を抱えたまま生きていく方がましだと思っている方もいるかもしれません。
でも実際には、状況によっては家や車を守れる可能性があります。またたとえ手放すことになっても、その後の生活設計は十分できます。この記事では、自己破産と財産の関係を正直に、具体的に解説します。
自己破産すると財産はどうなるのか——基本の仕組み
自己破産では、一定以上の価値がある財産は「破産財団」として管財人に引き渡され、債権者への返済に充てられます。ただし、すべての財産が没収されるわけではありません。生活に必要な最低限の財産は「自由財産」として手元に残せます。
✅ 手元に残せる主な自由財産
- 現金 99万円以下
- 差し押さえが禁止されている財産(生活必需品、仕事道具など)
- 退職金見込み額の8分の1相当
- 裁判所が認めた財産(各地裁により異なる)
自己破産したら「家」はどうなる?
持ち家がある場合、原則として売却されます。ただし、状況によって大きく異なります。
| 状況 | 家はどうなるか |
|---|---|
| 持ち家あり・住宅ローンあり | 原則として売却。ローン債権者が抵当権を行使するため |
| 持ち家あり・ローン完済済み | 評価額が高ければ売却対象。低ければ残せる場合も |
| 賃貸住宅に住んでいる | 影響なし。そのまま住み続けられる |
| 家を守りたい場合 | 個人再生(住宅ローン特則)が有効 |
家を守りたいなら「個人再生」という選択肢
住宅ローンが残っている家を守りながら借金を整理したい場合、個人再生の「住宅ローン特則」を使うと、家を手放さずに他の借金だけを大幅に減額できます。自己破産では家を守れない場合でも、個人再生であれば守れるケースがあります。
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自己破産したら「車」はどうなる?
車についても、価値と状況によって扱いが変わります。
| 車の状況 | どうなるか |
|---|---|
| 評価額20万円以下の車 | 手元に残せる場合が多い(自由財産の範囲内) |
| 評価額20万円超の車 | 原則として売却対象 |
| ローン返済中の車 | 所有権がローン会社にあるため引き上げられることが多い |
| 仕事に不可欠な車 | 裁判所の判断で手元に残せる場合がある |
年式が古い車は残せることも
国産車の場合、登録から10年前後が経過した車は評価額が20万円以下になることが多く、自由財産として手元に残せる場合があります。ローンが完済されていることが条件です。
また、地方在住で車が仕事や生活に不可欠な場合、弁護士を通じて裁判所に「自由財産の拡張」を申請することで、例外的に残せるケースもあります。
失うものと残るもの——整理した比較表
| 財産の種類 | 失う可能性 | 残せる条件 |
|---|---|---|
| 持ち家(ローンあり) | 高い | 個人再生に切り替えると守れる場合あり |
| 持ち家(ローン完済) | 中程度 | 評価額が低ければ残せる可能性あり |
| 賃貸住宅 | なし | そのまま居住継続可能 |
| 車(評価額20万円以下) | 低い | ローン完済済みなら残せる場合が多い |
| 車(評価額20万円超) | 高い | 仕事に必須なら申請で残せる場合あり |
| 現金(99万円以下) | なし | 自由財産として保護される |
| 給与・年金 | なし | 免責後は自由に使える |
| 生活必需品・家電 | なし | 差し押さえ禁止財産として保護 |
家・車を失った後の生活はどうなる?
「家を失ったら生活できない」と思いがちですが、実際には自己破産後も多くの方が普通の生活を送っています。
- 住まい:賃貸住宅を借りられます。ただし破産直後は審査が通りにくい場合もあるため、家族名義での契約や保証会社の活用が有効です。
- 車:免責後は新たにローンを組むことは難しいですが、現金購入や家族名義の車の使用は可能です。
- 仕事:資格制限がある職種(警備員・保険外交員・士業など)は手続き中に一時的な制限がありますが、免責後は解除されます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 自己破産すると家族も家を出なければなりませんか?
家族名義の財産は自己破産の対象外です。ただし、持ち家が売却される場合は家族も引越しが必要になります。事前に賃貸への転居を検討する方も多いです。
Q2. 家や車を守りたい場合、自己破産以外の方法はありますか?
はい。個人再生(特に住宅ローン特則)を使えば、持ち家を守りながら借金を大幅に減額できます。車も同様に、個人再生では自己破産より財産を守りやすい場合があります。
Q3. ローン中の車は絶対に引き上げられますか?
ローン会社に所有権(所有権留保)がある場合、引き上げられることがほとんどです。ただし、ローン会社によっては交渉の余地がある場合もあるため、弁護士に相談することをおすすめします。
Q4. 自己破産後、また車を買えますか?
免責後は現金購入であれば問題ありません。ローンは信用情報の回復(5〜10年)を待つ必要がありますが、家族名義での購入や現金購入で対応している方が多いです。
Q5. まず相談だけでもできますか?
はい。「自己破産か個人再生か、どちらが自分に向いているか」だけを確認する相談も無料で受け付けています。相談したからといって手続きが始まるわけではありません。
まとめ——「家も車も全部取られる」は思い込みです
自己破産によって失う財産は、状況によって大きく異なります。特に家については、個人再生という別の手段で守れる可能性があります。車も年式や評価額によっては残せるケースがあります。
「財産を失いたくないから踏み出せない」という方こそ、まず専門家に相談して、自分の状況でどんな選択肢があるのかを確認してください。

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